前回はついに冒険者が喋りました。
☆Py/☆Py or NEXT
これが上についている機能はPy専用またはPyとNEXTである程度互換性のある機能です。
★←このマークで区切っています。
今回はついにヤツがやってきます。
状態変数です。
第1回~第4回までの内容で簡単な読み物シナリオが……作れるかもしれない。
BGMと背景操作はいずこへ。
目次
・状態変数とは
あるものの状態を表すための変数のことを状態変数と言います。そのままですね。
カードワースでは「フラグ」「ステップ」「コモン」の3種類を指すことが多いです。
コモンはPy4以上専用機能でやれることが多いのでここでは説明しません。
状態変数は「どんな使い方ができるか」が多岐に及ぶのでいくつかの機能は割愛します。
アイデア次第で何でもできる!それが状態変数です。
・フラグ
第1回でもちらっと出てきましたが、スイッチのON/OFFのようなものです。
主な用途としては、メニューカードの表示/非表示やイベントの管理。
シナリオを作るうえで恐らく一度は使うものです。
これを使って、カードと背景の切り替え、フラグ分岐を使うイベントを作ってみます。
フラグを使う時はまずフラグを新規作成しましょう。
ここの⑥がフラグの新規作成です。
フラグの新規作成を選ぶと、ポップアップが表示されるのでまずはフラグの名前を入力します。
TRUE、FALSEと書いてありますが、電気のスイッチで例えたときのONがTRUE、OFFがFALSEです。
TRUEとFALSEの値は自由に変更できます。これはしなくても全く問題ないです。
フラグの初期値はシナリオに入ったときにフラグがどの状態になっているかを選択できます。
このフラグはひとまずFALSEにしておきます。
(デフォルトでは新規作成したとき常に「TRUE」になっていますが、XEditorでできることでこれを編集できる設定の紹介をしています。)
同じ要領で、背景用のフラグとイベント管理用のフラグを作ります。
では、カードと背景にフラグを設定します。
赤枠のなかに作成したフラグが表示されるので、設定したいフラグをクリックします。
フラグを設定すると、シーンビューの参照フラグに表示されるようになります。
フラグを設定したら、イベントビューでフラグをいじってみましょう。
赤枠のアイコンがフラグ変更です。フラグ変更のポップアップで変更したいフラグと変更後の値を選択し、OKを押せばツリーに追加されます。
「フラグ変更」では、フラグの現在値に関係なく値を指定できます。フラグがTRUEのときにTRUEにすることもできるということです。
フラグ変更の右隣にある「フラグ反転」は、勝手にフラグをTRUE→FALSE、FALSE→TRUEにしてくれます。
マンドラゴラのメニューカードは、初期値がFALSEのフラグを参照しているので初めは非表示になっています。
フラグ変更でTRUEにしたので、冒険者が話しかけられる直前に突然マンドラゴラが出てくるようになりました。
次は背景を変えます。変えるというか宿の背景を出す演出を作ります。
既に背景はフラグを参照させてあるので、コンテントで操作します。
まずは先程と同じように、背景のフラグをTRUEにします。
しかし、これではシナリオ中で背景が切り替わりません。もう一つコンテントを置く必要があります。
これです。画面再構築。
シナリオ作成に慣れた人でもたまに置き忘れられる可哀想なヤツです。
これをフラグ変更の後に置けばフラグで変更した背景がプレイ画面に反映されます。
次にフラグ分岐を使ってみましょう。フラグ変更の左隣にあるアイコンです。
前回ちらっと出てきた「クーポン所持分岐」と同じく分岐系のコンテントです。
フラグの値によって行先が分岐します。
「二回目」というフラグの初期値はFALSEなので、最初は下の分岐に進みます。
なんだこいつはと驚く冒険者ですが、そのあとに「二回目」の値をTRUEに変更しておくと、同じイベントが起こったとき今度は上の分岐に進んで「またお前か」としょっぱい対応をされます。
フラグはシナリオを出ると初期化されるので注意しましょう。
最後に、この赤いフラグが気になりませんか?
これですね。これは指定したフラグがTRUEの時だけイベントが実行される「フラグ判定」です。
条件を満たしてフラグがTRUEになったときだけ出現する選択肢を作るのによく使われます。
このように作ると、二回目のフラグがTRUEのときだけ「持って帰る」という選択肢が出現します。
こんな感じになります。
・ステップ
第1回でフラグの拡張版という表現をしましたね。
ステップには10個の値を入れることができるので、フラグと使い方は似ていても使用用途は変わってくると思われます。
よく見るのは、ステップに一人称を入れてセリフコンテントに入れるという使い方でしょうか。
ステップの新規作成はフラグ新規作成の右隣です。
「Step-0」の部分をクリックすると値が編集できます。初期値では初めの値を選べます。
☆Py or NEXT
段階数ではこのステップで使用する値の数を変えることができますが、基本は使わないと思います。
どのエンジンでもステップの値は最大10個です。
「特殊文字を展開する」では特殊な文字列を入れることで変数を表示することができます。
例えば「$??Player1$」と入力すると「_1」を持つ左端のPC名が表示されます。
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☆Py
フラグでも値を初期化するタイミングが選択できますが、こちらも基本的には使わないと思います。
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ステップの使用例としてまず「一人称を入れてセリフに表示させる」を見てみます。
図左のように一人称をそれぞれに入力し、セリフコンテント下部(矢印が刺さってる赤枠部分)でセリフに入れたいステップを選択、赤矢印の階段アイコンをクリックするとステップをセリフに入力できます。
ステップ名を直打ちでも大丈夫です。「$(ステップが入っているフォルダ名)¥(ステップ名)$」で入力できます。ステップをフォルダに入れていない場合は「$(ステップ名)$」でOK。
セリフのプレビューにはステップの初期値が入力されます。
「ステップ変更」で指定すればシナリオ中で一人称を変更できます。
また、ステップは10個の値を入れることができるので、数字の変数としても使うことができます。
戦闘回数をカウントしたり、雑談の段階をカウントしたりすることができますね。
次は「ステップ多岐分岐」「ステップ上下分岐」「ステップ増加」「ステップ減少」「ステップ代入」を見てみましょう。
「ステップ増加/減少」はその名前の通り、ステップの値を+1または-1するものです。既にステップの最大値(最小値)になっているときにステップ増加(減少)を使っても何も起きません。
「ステップ上下分岐」は指定したステップが指定した数字以上・未満で分岐させます。
「ステップ多岐分岐」はステップが〇のとき、△のとき、□のとき、と場合分けするときに使います。
「(ステップ名) = その他」というものがありますが、これは「Step-1の場合とそれ以外」というふうに場合分けしたいときの「それ以外」にあたる分岐条件です。
「ステップ代入」は、他のステップで指定されている値を指定したステップに代入できる機能で、ランダムな値を代入することもできます。
NPCに話しかけるとランダムな雑談が発生するという場面で使えますね。
今回はここまで。